福岡の大名社会保険労務士事務所

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第二西部ビル203号
大名社会保険労務士事務所
代表者 前田 拓邦
TEL 092-716-2807

日々の日記

社保も、マスコミも、社労士もズレているのでは?

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職人社労士の前田です。


ふらっと書店に立ち寄った際、私が法学部学生だったときに読んだ芦部先生の「憲法判
例を読む」が目に入り、つい購入してしまいました。


憲法の本を衝動買いした理由は、懐かしさもありますが、最近の格差社会が生存権を脅
かす状態にあるのではと疑問に感じているからです。


もう一度自分自身が日本国憲法の基本的人権を考える必要があり、行政に対しても憲
法設立の趣旨からも問い直したいと考えているのです。


最近、マスコミ報道で社保事務所元職員が厚生年金の記録改ざんを証言し再び社保庁が
ヤリ玉に上がっているようです。


【記事】
「厚生年金の加入記録の改ざん問題で、滋賀県の元社会保険事務所課長、尾崎孝雄さん
が「収納率を上げるため、給与水準(標準報酬月額)を最低ラインまで下げるよう、社保事務
所が企業に指導した」と、社保事務所が違法行為にかかわっていたことを証言した。官主
導を元職員が公の場で明らかにするのは初めて。社保庁は「職員の関与は不明」としてき
たが、OBからも「不正」をあらわにされた形だ。保険料は給与水準に連動するため、低くす
るほど徴収料が減る。このため、滞納企業に対し、▽社長や社員の標準報酬月額をさか
のぼって最低水準に訂正する▽虚偽の厚生年金の脱退届を出させ、業務継続を黙認する
--などを指導したという。」


標準報酬を低く改ざんし被保険者からは従前の保険料を徴収していた「腐った企業」は論
外ですが、企業が倒産しかけている瀬戸際であれば「合理的」な判断だと考えます。


名ばかり社労士の人々は、「社保庁一体となった組織ぐるみの不正」だと批判されます
が、現場系社労士の私は社員の雇用を守るための「血のかよった」仕方ない判断だと
思ってます。


会社経営は良い時もあれば悪い時もあります。その悪い時の一時期に社保料を滞納し
ているからという理由で、払えなければ、倒産してください。社員は全員解雇してください。
社長は首をくくりなさい。と「黙示の指導」を役人ができるのでしょうか?


雇用の場を失わないようにすることや、経営者一族が自らの命を絶たないように事業継続
する意思決定、つまり基本的人権で保障される部分は、この国の社会保障制度を維持す
ることよりも低位置にあたるものでしょうか?


全てを肯定する訳ではありませんが、社労士でありながら、私が憤りをもつのは、以下の
体験をしたからなのです。


顧問先の医師が不慮の事故に合い数か月間診察ができない状況になりました。医院は
臨時のドクターを入れましたが、慣れないため売上が上がらず、その結果社保料の滞納
額が400万円に膨らみました。


納付計画書を作成しましたが、3月の年度末までの納入が困難と判断され(年度末まで
という期限自体、徴収課の都合でしょうが?)、2回目の滞納事実と、医院であるという理
由から突然の銀行口座の凍結をなされ、保険料の回収に充てられたのでした。


その結果、医院のキャッシュがショートしたため、やむなく従業員を5人解雇する決断をし、
私は解雇予告通知書の作成と予告手当の計算をするはめになりました。


この国の社会保障制度を維持するために労働者を解雇し、雇用の場を失わせる事態を
社会保険事務所の職員は何と思っているのでしょうか?


ましてや、以下の記事をみると小さな歯車の一部ではないかと思えてなりません。


【記事】
「厚生労働省は、2007年度の公的年金(厚生年金と国民年金)の運用報告書を発表した。
それによると、将来の給付に備える積立金は同年度末現在で138兆6485億円と、1年
前に比べ10兆4852億円減少した。株式などで行っている市場運用が米国の低所得者
向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題の影響を受け、大幅な損失を被ったことが響
いた。積立金の減少は2年連続で、マイナス幅は自主運用がスタートした01年度以来、
過去最大。減少した積立金のうち、市場運用でのマイナス額は5兆6692億円。このほか
、財政融資資金への預託など市場運用以外からの収益などもあり、これらを相殺した運用
収益額はマイナス5兆1777億円となった。さらに、年金給付のための取り崩しをした結果
、積立金は10兆円以上目減りした。」


なんと5兆円もマイナス運用し、目減りさせておきながら、社保料の回収にやっきになって
いるのです。


マクロ的にみるとマイナス運用させるくらいなら、医院の400万円は強制回収しなかった
ほうがよかったのではと考えてしまいます。


その後、差し押さえを受けた医院はドクターの復帰により、以前にも増して患者様が増え、
経営も順調にあります。


経営は良い時もあれば、悪い時もある。


小さなことを突いても仕方なく、人類が永い間築いてきた基本的人権を踏みにじんでまでも
行わなければならない法律なのか、よく考えて判断する必要があるように最近感じたので
した。


ある意味、私は社労士失格かもしれませんが、最近思う、正直な気持ちなのです。


                                                   以上


追伸


医院の経営が順調に回復し、私の気持ちの中で「リストラされた従業員に申し訳なかった」
という心の引っ掛かりがあったため、元従業員に再度呼び戻しを試みましたが申し出を断ら
れてしまいました。


当然の結果です。彼、彼女たちも「人間としてのプライド」があるのですから・・・・


ブログに対するコメント : 投稿者 : 前田 : 2008年08月28日


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